いちごとカルーア【完】



崇哉と付き合っていたのは、高校二年生の春から高校三年生の秋までだった。


付き合い始めたきっかけは一緒になったクラスで出席番号が近く、前後の席になって確か、崇哉から告白された。


彼はクラスの人気者で、イケメンで、皆に好かれてた。私はいつも話す度に緊張していたけど、崇哉は私に「聡美の女の子らしいとこが好き」って言ってくれていて、仲が良く、私たちは校内でもそこそこ有名なカップルだった。


別れたのは、受験のストレスとか会えない時間とか不安不満が溜まって、私から切り出した。


今思えば、だけど、嫌いになって別れたわけじゃなかったから、こんなに引きずってしまったのかも。


そのあとは、2年くらい、友達として仲良くしてたけど、崇哉に新しい彼女ができたって聞いて、自然と距離ができた。その彼女とは1年も経たないで別れたみたいだったけど、私たちが連絡を取ることはなかった。


だから成人式の同窓会以来会ってなかったし、今回連絡を取ろうと思ったのにも、特に深い理由はない。


ただ会いたかった、会ってみたかった、それだけのことだった。でもいざ会うと好きって思ってしまうね。


崇哉はどう思っていたんだろう。高校時代のこと。付き合った日別れた日、別々に生きていた期間、今日の私。なんて思ったろう?


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