いちごとカルーア【完】
4年越しに想いを伝えて、どう返事が返ってくるかは分からないけど、私の中で一区切りついたような感じがした。
どうしてもっと早く伝えなかったんだろう、なんなら、どうして私から別れを告げてしまったのだろう。
きっと私たちは、出会うのが早すぎたんだとずっと思っていた。出会いが大人になってからだったら、私は彼を手放したりしなかっただろう。タイミングが悪かったのだ。
「あのさあ、俺らが別れた時のこと、覚えてる?」
「……高校生の時?」
「そう」
「……3年生で、受験のストレスとか、会えない時間が続いて、そのすれ違いのせいだよね?」
「違うよ」
「え?」
「いちごパフェだよ」
「……いちごパフェ?」
あまりにピンとこなさすぎて首を傾げると、崇哉は喉の奥でくつくつと笑う。
「高校生の頃、デートは大体学校近くのカフェで。デザートを頼むんだけど、聡美は絶対いちごパフェを食べてたんだよ」
「いちごパフェ」
「いちごパフェ」
記憶にあまりない。というか、私はそんなに甘いものが好きじゃない。少しならいいんだけど、パフェやケーキとなると、どちらかと言えば、抹茶やコーヒーなど苦味のあるものの方を好んで注文していたはず。
けとそれがなにか?