いちごとカルーア【完】



4年越しに想いを伝えて、どう返事が返ってくるかは分からないけど、私の中で一区切りついたような感じがした。


どうしてもっと早く伝えなかったんだろう、なんなら、どうして私から別れを告げてしまったのだろう。


きっと私たちは、出会うのが早すぎたんだとずっと思っていた。出会いが大人になってからだったら、私は彼を手放したりしなかっただろう。タイミングが悪かったのだ。



「あのさあ、俺らが別れた時のこと、覚えてる?」

「……高校生の時?」

「そう」

「……3年生で、受験のストレスとか、会えない時間が続いて、そのすれ違いのせいだよね?」

「違うよ」

「え?」

「いちごパフェだよ」

「……いちごパフェ?」



あまりにピンとこなさすぎて首を傾げると、崇哉は喉の奥でくつくつと笑う。



「高校生の頃、デートは大体学校近くのカフェで。デザートを頼むんだけど、聡美は絶対いちごパフェを食べてたんだよ」

「いちごパフェ」

「いちごパフェ」



記憶にあまりない。というか、私はそんなに甘いものが好きじゃない。少しならいいんだけど、パフェやケーキとなると、どちらかと言えば、抹茶やコーヒーなど苦味のあるものの方を好んで注文していたはず。


けとそれがなにか?



< 14 / 20 >

この作品をシェア

pagetop