いちごとカルーア【完】
それから私たちはお互いの仕事の話、付き合っていた高校時代の話、共通の友人の話、通っていた大学の話とか、会わなかった4年間の話をした。
あっという間に2時間経って、崇哉はその間に生ビールを4回、か、5回くらい追加注文したけど、私は2杯目のカルーアミルクをやっと飲み干したところで席時間になった。
「聡美って、酒弱かったんだ」
「……崇哉がつよいよ」
「普通だよー、俺は」
「あ、ていうか、お金、んっと、いくらだった?」
「いーよ、俺の奢りで」
「そういうわけにいかないよっ、私が誘ったもん」
「えー、じゃあ、二軒目奢ってよ、聡美が」
二軒目。
あるんだ、二軒目。行ってくれるんだ、二軒目。
お酒が、ぐわっと込み上げてくる嬉しい気持ちを後押しして叫び出してしまいそうなのを必死に堪えながら、うふふっと自然に漏れた笑い声に自分でも酔ってんなーと思う。
本当は、二軒目なんて余裕ないけど、崇哉といれるならない余裕なんて作る。作れる。明日1日潰れるくらいの二日酔いは覚悟できる。
一軒目の店を出てから、訳も分からないうちに崇哉が二軒目のお店を探してくれて、商業ビルの地下に入っているパーに入った。
パーと言いつつ、店内は薄暗いものの広くゆったりした空間で、テーブル席に通されて崇哉と向かい合って座る。