熱愛系エリートに捕まりました
恥ずかしくなってパッと顔を伏せると、クスクス笑う声が降ってきた。

その後、隣の隣の椅子が引かれてそこに男性が座る気配と、マスターにマティーニを頼む声が聞こえた。

そこでようやく、なんとなくほっとして、縮こまらせていた体の力を抜いた。


カウンター席は7つだから、彼との距離は多少近くは感じるけど、おかしくはない。

わたしは壁から2つめに座っているので、わたしから離れて座るとドアに近くなるから。


ふぅ、と小さく息を吐く。

タイミングを逃してしまったし、男性から逃げる気はいったん失せた。

今席を立つと、なんかあからさまだしね。


「改めて、こんばんは」

「え?あっ、こんばんは…」


マスターからカクテルグラスを受け取った男性が、徐にこちらを向いて声をかけてきた。
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