熱愛系エリートに捕まりました
「ディナーの前に行きたいところがあるんだけど、付き合ってくれる?」

「? はい、もちろん」


今までも、食事以外にもいろんなところに連れて行かれたことは多々ある。

なのに、なんだかやけに改まって言われたから、不思議に思って首を傾げた。


電車で移動した先は、人がひっきりなしに行き交う表参道だった。

わたしの手を引き、薬師丸さんはすいすいと人の間を縫うように進む。


この辺りのレストランを予約しているのかとも思ったけど、さっき彼は『ディナーの前に』と言っていた。

どこに行くのかしら…?


あれこれ考えを巡らせて脳内予想大会をしていたら、迷う素振りもなく脇道に逸れ、一本裏の通りにあるショップビルに連れ込まれた。

敷地面積自体はあまり広くはないけれど、外から見る限り5階建てで、3階までがお店としてのオープンな空間になっているらしかった。
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