熱愛系エリートに捕まりました
大手町で降りた時点でもしかして、と予想はしていた。

案の定、薬師丸さんが迷わず向かったのは通い慣れたB.C.square TOKYOで、しかも最上部行きのエレベーターに直行だった。


今まで一緒に行ったお店もどれも素敵だったけど、クリスマスだからって殊更に気合いを入れてくれたのかしら。

二人分の正装まで、当日にサプライズで用意して…

そんな演出されちゃったら、これから先、忘れられなくなるじゃない。


そう思うと自然と溜め息のように深く息を吐き出して、強張っていた体から力が抜けた。

そう、薬師丸さんとはこれが最後なのよ。

彼とこれ以上、遊びと恋人の間みたいな曖昧な関係は続けていけない。


わたしは薬師丸さんが好きで、でも彼はライトで楽しいぬるま湯みたいな関係を望んでて。

最初はそれでいいと思っていた。それで彼がわたしを見てくれるなら、って。
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