熱愛系エリートに捕まりました
彼がドアを開けて先に通してくれたことでようやく開いた口からは、弱々しい声が出た。

高速で体内を巡る血が体に籠る熱をかき回して、頭から湯気が出そう。


続いて室内に足を踏み入れた薬師丸さんに促され、廊下のサイドにある部屋はスルーして突き当たりの部屋に入った。

そこはリビングで、そこでやっとここがスイートルームであり、しかも最初の日に連れ込まれた部屋であることにも気づいた。


「あの、ここ…」

「ん?あぁ、気づいた?そうだよ、ここは俺たちが始まった部屋」


その始まりについて詳細な記憶はないけれど、あの衝撃的な出来事を思い出して、恥ずかしくて居た堪れない気持ちになり、顔を背けた。


そして、偶然じゃなくわざわざこの部屋を選んだらしい彼に、チクリと胸に棘が刺さるような感覚もした。

わたしたちの関係は、どれだけ続いても結局はここに帰結するのだと暗に示されたみたいで。
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