熱愛系エリートに捕まりました
ええいままよ、と言葉を紡ぐ。

こうなったらもう、想いをぶつけてすっぱり断ち切ってもらうしかない。

その切り傷が癒えるまでには時間がかかるかもしれないけど、それが正しい失恋だとさえ今は思う。


「薬師丸さんにとっては遊びでも…楽しいことだけの浅い関係を望んでいるんだとしても…本当に好きに、なっちゃったんです」

「………」

「だから…これ以上、薬師丸さんと一緒にいるのは辛いん、っ!?」


です、と言い切る直前に、横からすごい勢いで体当たりされた。

そのまま強い力で締め上げられるように抱きしめられて、体中が痛いし苦しい。


「ぅぐっ…」

「ちょ、っと待って。なっ、何から…?」


わたしの様子に気づかないのか、薬師丸さんは譫言のように何やらぶつぶつ呟く。
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