熱愛系エリートに捕まりました
容姿に対する周囲の反応と、本人の気性は別の問題だものね。

けれど、それが事実だとすれば一つだけ、明らかに矛盾した点がある。


「…でも、酔ったわたしをお持ち帰りしたのは事実ですよね」


薬師丸さんが女遊びしないというなら、そこのところの説明がつかない。

潰れたわたしを介抱するためとはいえ、あの場にはマスターだっていたんだし、ホテルになんか連れ込まなくても他に解決方法はあったはずだわ。

訝しむわたしに対して、薬師丸さんは瞳も声も揺らすことなく、簡潔に言い切った。


「瞳子は特別だから」

「…それは、どういう…?」


だって、わたしと薬師丸さんは、あの日バーで偶然居合わせただけなのに…


「実は俺は、あの日よりもずっと前から、瞳子のことを知ってたんだ」
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