熱愛系エリートに捕まりました
今の会話で得た情報を噛み締めながら、俺は自分の本来の目的だった弁当を買うことを忘れ、怪しまれない程度に彼女を視界に捉え続けた。

会計を済ませて店を出た二人を、一定の距離を置きつつ見失わないようについていく。

どう考えても尾行だし、いろんな意味でアウトな行為だが、幸い人がごった返したフロアでは俺の行動は目立たなかった。


下層のオープンフロアには各種飲食店やクリニックのテナントがあるため、近隣で働く外部の人間も訪れることが多いのだが、二人はエントランスまで降りると外には出ず、ゲート付きのエレベーターホールに向かった。

ということはつまり、彼女はこのB.C.square TOKYO内のどこかのオフィスで働いているということだ。


さすがにオフィスまでついてはいけないので、どうやって特定しようかと歯噛みしていたのだが、彼女たちが待つエレベーターはミドルフロアでもアッパーフロアでもなく、B.C.Building Inc.のオフィスに直通するものだと気づく。

そこまでわかったところでエレベーターのドアが開き、彼女は鉄の箱に乗って姿を消した。
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