熱愛系エリートに捕まりました
だいぶ明け透けな話になってきたので、慌てて声を張り上げて遮った。

なんてことを言うのかしらこの人は!

わたしの顔は、今や真っ赤なトマトよりも完熟しきっているだろう。


「わ、わかりました!わかりましたから!」

「本当に?俺がどんだけ瞳子のこと好きか、わかってくれた?」

「そりゃぁもう!」


だから!なんでそういうことサラッと言っちゃうのよ!?

と叫びたいのを堪えて激しく頷けば、ヒートアップしていた薬師丸さんもふーっと深く息を吐き出した。

ようやく落ち着いてくれたみたいね…


「じゃあ俺と付き合ってくれるよな?」

「はい、もちろん!」


勢いそのままに頷いてから、一秒後にあれっ、と停止した。呼吸さえ止まった気がする。
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