熱愛系エリートに捕まりました
しかし楓は、この時期でも定時になればさっさと退勤していた。

むしろ、年末に向けて忙しい、という理屈を理解できていなかった節がある。

何せ、薬師丸がここのところずっと仕事に追われていて、なかなか近づけないことを不満に思ってすらいたのだから。


メイリー&カンパニーでは事務員にも優秀な人間を雇っているので、心証はともかく、彼女一人が抜けても業務に問題はない。

楓が男目当てで入社したのは一目瞭然だったので、そもそも誰も彼女を頭数に入れていない。


そんなことを数日続けて、ようやく仕事終わりの女を捕まえたのだった。


まずは勘違いを正してやろうと、あんたはただの遊びだと指摘してやる。

女は反論できずに黙り込んでいた。


いい気味だわ。

どうせ、蒼士さんに愛されてるなんて夢を見て、舞い上がっていたんでしょうけど…
< 201 / 217 >

この作品をシェア

pagetop