熱愛系エリートに捕まりました
テーブルに乗っていたリモコンに手を伸ばし、テレビをつける。

特番ばっかりでどれも面白そうだけど、芸人のMCたちがゲストとトークする番組にした。


「…それって褒めてる?」

「褒めてます褒めてます。蒼士さんはカッコいいです」

「ならいいや」


冗談めかした答えに満足したらしく、笑顔になったかと思うとわたしの背後に回って、すっぽり覆うように抱きついてくる。

しかし、ソファとの間なのでスペースに余裕がなく、テーブルをずりずりと前に押し出してずらすという横着をしてみせた。


「あー、ラグがずれちゃうじゃないですか」

「ソファの下に噛ませてあるから大丈夫」


テーブルの足にひっかけられてラグの短い毛足が乱れた部分を撫でつけるも、犯人はとくに悪びれることもなく頭に頬を擦り寄せてくる。


「ていうか、パン食べないんですか?」
< 212 / 217 >

この作品をシェア

pagetop