熱愛系エリートに捕まりました
わたしは赤くなっているに違いない両手で顔を覆って、ひたすら縮こまっていた。


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周りには高速のインターチェンジ以外何もなかった郊外のアウトレットモールから、さらに都心から離れるように走った先。

カーナビによれば東京都内のようだけど、周りには山、というか森が広がっている。

東京といってもビル群ばかりではなく、田舎の風景が残る場所もあると知ってはいたけれど、実際に来たのは初めてだ。


広いけど土が剥き出しの山道を、緩やかなカーブに沿って登っていく。

街頭も当然ないので周りは本当に真っ暗で、車のヘッドライトをハイビームにしてたってかなり視界が悪く、心許ない。

道を踏み外しやしないかとハラハラしていたけれど、薬師丸さんは慣れているのかすいすい進んでいく。

しばらくして、木々の間にようやく灯りが見えた。
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