熱愛系エリートに捕まりました
目を丸くして見つめていたら、わたしの疑問を読み取った薬師丸さんが苦笑いで肩を竦めてみせた。


「俺自身は何でもないんだけど、このオーベルジュを設計したのが父親なんだ」

「お父さんが…?」

「そう。建築家で大学教授でもある。住宅じゃなくて、博物館とか駅舎とか、公共性のある建物が専門なんだ」


教授レベルの建築家が父親で、息子は世界三大コンサルティング会社の社員。

金銭感覚がちょっと外れてるのは本人の稼ぎがいいからだと思ってたけど、そもそも育ちがよかったのね…


「モールならまだしもこういう店舗も普段は扱わないんだけど、オーナーが父親の友人で、そのよしみで設計を請け負ったらしい」

「へぇ。そうだったんですね」


呆気に取られながら説明を聞いているうちに、ワインが運ばれてきた。
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