熱愛系エリートに捕まりました
よく見ると、ワインを運んできてくれた壮年の黒服男性の襟元にはソムリエバッジがついていた。


コルクを抜いてグラスに注いでもらい、黒服さんが離れていくのを見計らって乾杯する。

ワインの味なんて全然わからないけれど、さっぱりしていて飲みやすかった。


「ここにはよく来るんですか?」

「俺は久しぶりに来たけど、昔は家族で小旅行がてらによく来てたよ。オープンが二十数年前で、当時はまだ俺も兄貴も幼稚園児とか小学生だったから」


そう言いながらさりげなく、懐かしそうに目を細めて店内を見回している。


「お兄さんがいるんですね」

「うん、5歳上。製薬会社で営業マンしてるよ。出世頭みたい」


ということは、お兄さんも優秀な人なのね。遺伝子ってすごいわ。
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