熱愛系エリートに捕まりました
そう、わたしは何もできなかった。

近づきたいと思いながらも二の足を踏んで、同期としての時間を楽しむのもいいから、なんて自分に言い訳して。

結局今日まで、見事なまでに”ただの同期”という、性別不明の存在にしかなれなかった。


仲村に恋人ができることを、考えなかったわけじゃない。

だってわたしは彼の交友関係なんて当然知らないし、いつどこでそういう事態が起こっても不思議ではない。

彼女はいない、と入社してすぐの親睦会で話の流れで聞いたけど、ずっとフリーだとは限らないと。


だからこれは、勇気を持てないばかりに現状に甘え続けた結果だ。

情けなさすぎて、顔も知らない彼女に嫉妬する気にもならない。

もう25歳なのに、わたしはいつまで奥手でいるつもりなんだか…
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