初めての甘い恋人
ーーーーー

カイルが社長室を出て行って、私は唖然としていた。


「あら……カイル、このあと予定があったのね」


社長の言葉がどこか遠くで聞こえる気がする…。


え?……二人で行けって言った??
え??えーーー!!?
ど、ど、どうしよう……いきなり二人なんて……。


「では、アリア様。参りましょうか。」


「へ?あ、はい…。」


気のない声が出てしまった…。はっ恥ずかしい…。


でも、藤堂さんは気にせず社長室をでていく。


社長の方を見るとにっこり微笑まれた……。もう、あとに引けない。


はっとして慌てて、藤堂さんを追って社長室をあとにした。


「突然、食事の誘いなど…。すみません。」

「あっ、いいえ…。」

「女性を自分から誘うなど、初めてなもので…。自宅のある階で初めてアリア様をお見掛けして…。」


あー、カイルの家がある階か…。


「何度かお声を掛けようとしたんですが…。なかなか出来なく……手を駒根いている時に落とし物の事がありまして」
< 13 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop