初めての甘い恋人
今までの仁に対しての熱が、さーーっと引いていくのが分かる…。


私、見てはいけないものを見ちゃった……かも……?


一転、ほろ酔い気分は覚め、どっどっどっと、心臓が変な動きをしている…。


仁を信じたいけど……何しろ、私たちは今日会ったばかりだ…。何をどう信じれば……。


ヤバい……泣きそう……。こんな顔じゃ、仁もおかしく思うだろう……。


今日のところは帰ろう…。気持ちが落ち着いてから、また話そう……。でも、カイルのところには帰れないな…。あまりに近すぎる…。


久しぶりに自分のウチに帰ろう…。

よかったー…。引き払ってなくて…。こんな時だけど、ちゃんと家を持ち続けた自分にグッジョブ!!


ダメだ…。ダメだ……。そんな事を考えている場合ではない!一刻も早くこの家を出たい……。


そう思って洗面所から出たら、仁が目の前に立っていた……。


「アリア、大丈夫?飲み過ぎちゃった?」


そんな、優しい顔で私を見ないでほしい……


「え?アリア、どうしたの?」


どうやら、私は我慢出来ずに涙が出てしまったようだ。
それから、私は逃げるように仁の部屋を後にした…。
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