蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
七 欄干にて
毬を見張らせておいた式神から連絡を受けた龍星は、東河にかかる橋の欄干に独り佇む様子を、切ない想いでやや離れたところから見守っていた。


帝のことで動揺しているのか、それとも……


彼女の心境は図りしれないが、出来れば独りで抱え込まずにぶつけてくれれば良いのにと思う。

それに、キツネの話も気になった。

昨日の事件の黒幕が妖狐であった話は彼女の耳には入ってないはずだ。
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