蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
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龍星はそこで話を止めた。
平気だと嘯いていた毬は、龍星の膝を枕にとっくに夢の世界へと誘われている。
龍星は無意識のうちに指先で、毬の髪をそっと撫でていた。
「すっかり遅くなったな」
「いや、構わんよ」
雅之はほろ酔い加減で答えた。
「結局、子供の霊はその家から追い出したのだが。
首を絞めた犯人は見当がつかなかった。
実のところ、もう一度犯人が来るまでそこで張ってみれば良いのだが……。
正直言ってそんな気持ちには微塵もなれぬ」
龍星は珍しく本音を呟き、苦笑した。
「とはいえ、明日あの女が死んだと聞けばさすがに寝覚めが悪いからな。
一応、式神を代わりに置いてきたよ。
何もなければよいのだが」
「そうだな。
何かあったらいつでも俺を呼んでくれ。
深夜でも、早朝でも」
犯人が霊でなく、人であった場合、龍星よりも雅之の方が適任だった。
臆面なくそういうことを言ってくれる雅之のことを、龍星は心底好いていた。
龍星はそこで話を止めた。
平気だと嘯いていた毬は、龍星の膝を枕にとっくに夢の世界へと誘われている。
龍星は無意識のうちに指先で、毬の髪をそっと撫でていた。
「すっかり遅くなったな」
「いや、構わんよ」
雅之はほろ酔い加減で答えた。
「結局、子供の霊はその家から追い出したのだが。
首を絞めた犯人は見当がつかなかった。
実のところ、もう一度犯人が来るまでそこで張ってみれば良いのだが……。
正直言ってそんな気持ちには微塵もなれぬ」
龍星は珍しく本音を呟き、苦笑した。
「とはいえ、明日あの女が死んだと聞けばさすがに寝覚めが悪いからな。
一応、式神を代わりに置いてきたよ。
何もなければよいのだが」
「そうだな。
何かあったらいつでも俺を呼んでくれ。
深夜でも、早朝でも」
犯人が霊でなく、人であった場合、龍星よりも雅之の方が適任だった。
臆面なくそういうことを言ってくれる雅之のことを、龍星は心底好いていた。