食わずぎらいのそのあとに。
その夜、遅くなりそうと連絡があったタケルは、12時過ぎに帰ってきた。
物音で起きてリビングに行くと、相当に酔っぱらってワイシャツ姿のままソファに転がっている。
「おかえり。大丈夫?」
「男だけでやたら人数いて、飲まされた」
「なんか聞かれたの?」
「余計なこと言ってないから大丈夫だよ。香、こっち来て」
手招きされたけど、床に座って顔を見る。お酒臭いキスはいやなので、ちょっと離れてみる。
「なんだよ」
「お酒くさいよ」
「飲んだよ、相当」
「知ってる。でもご機嫌だね?」
「まあね、相当にやっかまれたね。今日もかわいかったしな、赤くなっててさ」
思い出し笑いをしてる。相当酔ってるみたい。タケルは強いのに、どれだけ飲んできたんだろう。
「大丈夫? 明日会社だよ?」
「平気。でももうこのまま寝たい」
ダメだって。引っ張って起こすとなんとか立ちあがったので洗面所に連れて行った。