ビルに願いを。
2人でいる時にそう言ってみたら、丈はまたあの色っぽい目線を送って来る。わざとなの、それ?
「ひとりにできるわけないよな、こんなの」
「私? 流されやすいとかそういうこと? でも麻里子さんも圭ちゃんも反対してたのに、やっぱり好きって言おうって自分で決めたんだよ?」
「俺のケイティは犬だけど、杏の圭ちゃんは人間だからね」
「まだ疑ってるの? 妹をよろしくって言われたでしょう?」
首をすくめて、丈は何も言わない。なんにも気にしてない風で、意外と嫉妬深いんだ。
でもちょっと嬉しい、そういうの。
一緒に住まないかと言われたのは、それからすぐ後のことだった。
丈のホテルの部屋でルームサービスで朝食をすませたとき。もったいないと言ったら、一緒に住めば丈が作ってくれると言う。
圭ちゃんの了承はもらったんだって。いつのまに。
「ていうか、圭ちゃんがいいって言っても」
まず私に聞いてからにしてくれたらいいのに。もちろん嬉しいけど。
「杏の両親にもあいさつに行く?」
思ってもみないことを言われた。これも、圭ちゃんと話したこと?
「ママには、ずっと会ってないから」
「圭さんがいつも杏のことを両親に報告してるって」
それは知ってるけど。まともな仕事をしてると聞いて少しはホッとしてると思うけれど。
でも、結婚してないのに男の人と一緒に住みたいなんて、ママに受け入れられるはずがない。時代がどうでも世間がどうでも、ママはママだ。
「ひとりにできるわけないよな、こんなの」
「私? 流されやすいとかそういうこと? でも麻里子さんも圭ちゃんも反対してたのに、やっぱり好きって言おうって自分で決めたんだよ?」
「俺のケイティは犬だけど、杏の圭ちゃんは人間だからね」
「まだ疑ってるの? 妹をよろしくって言われたでしょう?」
首をすくめて、丈は何も言わない。なんにも気にしてない風で、意外と嫉妬深いんだ。
でもちょっと嬉しい、そういうの。
一緒に住まないかと言われたのは、それからすぐ後のことだった。
丈のホテルの部屋でルームサービスで朝食をすませたとき。もったいないと言ったら、一緒に住めば丈が作ってくれると言う。
圭ちゃんの了承はもらったんだって。いつのまに。
「ていうか、圭ちゃんがいいって言っても」
まず私に聞いてからにしてくれたらいいのに。もちろん嬉しいけど。
「杏の両親にもあいさつに行く?」
思ってもみないことを言われた。これも、圭ちゃんと話したこと?
「ママには、ずっと会ってないから」
「圭さんがいつも杏のことを両親に報告してるって」
それは知ってるけど。まともな仕事をしてると聞いて少しはホッとしてると思うけれど。
でも、結婚してないのに男の人と一緒に住みたいなんて、ママに受け入れられるはずがない。時代がどうでも世間がどうでも、ママはママだ。