うそつきなあなたへ

「確かに、お嬢ちゃんのいた世界には村というものがあったかもしれん。けどな、今、お嬢ちゃんがいる世界には村がないんだ」

「どういうこと……?」

「俺も、詳しいことは知らないんだが、たまに俺らとは違う世界の人が迷い込んでしまうらしい。その人たちがどうやってこの世界にきたのかわからない。その人たちがどうやって帰るかも聞いたことがない。もしかしたら、お嬢ちゃんは違う世界の人かもしれん」

「そんな…… 私は村に帰れないかもしれないってこと?」

その言葉で止まった涙はまた溢れてきました。
家族や村の人たちにもう二度と会えなくなると思うと、胸が張り裂けそうな気持ちになりました。
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