うそつきなあなたへ
少女が歌い始めると、2人の周りはほんの少しだけ明るくなった気がしました。
この世界に迷い込んでから、不思議なことばかり起こります。
歌っていると、なんだか楽しくなって、悲しい気持ちはいつの間にか消えていました。
「歌っていうのは、不思議なもんだ。人を励ましたり勇気づけたり、時には人を大きくしてくれる力がある。お嬢ちゃんもそう思わんか」
「難しいことはわからないけれど、私もそんな気がする」
「そうだな、ちと難しかったか。いずれわかる時がくるさ」
どれぐらい時間が経ったでしょうか。もう随分と長い間、歩いた気がします。
けれど、足はまだまだ疲れを知りません。
「おっと、忘れておった。俺のことについてまだ何も話してなかったな」