うそつきなあなたへ

俺はあらゆるところを旅する吟遊詩人……お嬢ちゃんはまだわからんか。
歌を歌う旅人にしておこう。歌を作り、歌いながらいろんな街を巡っているんだ。
何十年もかけて、この世界の全ての街を旅している。
その土地で起こったことを、歌詞にして人々に伝えていくんだ。
音楽は、笛がつけてくれる。

前にきたはずの街なのに、数年経てば人も街並みも変わる。
けれど、どこも根っこの部分は変わっていないんだ。
同じ時間を共有してきた人たちが、重なり合って次の世代に伝えていく。
一見、違うものに見えるけれど、よく見ていくと懐かしい気持ちになるんだ。

センチメンタルな気持ちになるときだってあるさ。
だけど、楽しい気持ちや喜びを感じることの方がもっと多い。
家でずっと引きこもっているより、外に出て自分の足でその土地に出向いて会いにいったほうがいろんな世界が広がって、人生ずっと面白くなるんだ。

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