夫の真実
「美保、美保。」
とトンネルの向こうから、私を呼ぶ声がする。
誰だろう、誰かが私を呼んでいる。
と思ったとき、ぱあっと目の前が明るくなり、
目を開けた。
目の前には、真っ白い天井が見えてきた。
「美保!」
今度は、はっきりとした声が聞こえた。
「美保、気がついた? ああ、よかった!」
横を見ると、母の顔があった。母は、泣いていた。
「お母さん、どうしたの?」
「あなたが目をさまさないから、心配したのよ。」
「私? 私、どうしたのかな?」
「倒れて、救急車で運ばれたのよ。」
「私、倒れたの?」
「そうよ。」
そこにもう一人の女性が近づいてきた。
「美保さん、よかったわ。気がついたのね。」
「お義母さん?」
「要に、連絡するわね。あの子、きっと飛んでくるわよ。」
「要さん……?
駄目です!彼には会いません!」
「どうしたの?美保さん、落ち着いて。」
「要さんは、一美さんの夫でしょ。だから、私は会ってはいけない。私の中で、声がするの。会ってはいけないと。」