夫の真実


今夜は、大学時代のメンバーで久しぶりに飲むことになっていた。

参加を見合せようかとも思ったが、連絡をくれた中條が、話したいというので、参加することにした。

ゼミの7人のうち、5人が参加していた。

中條が、

「この間さ、静が奥さんと会ったと言っていた。その時、お前の女性関係について、言い過ぎたから、誤っておいてくれってさ。」

「俺の女性関係?」

「ああ。実は静はさ、要のこと好きだったんだよ。だから、奥さんに嫉妬して、要が、女性と派手に付き合っていたと言ったらしい。そしたら、奥さんの様子がおかしくなって、そこに携帯がかかってきて、ますます変になったらしい。静、すごく気にしていたよ。」

「それ、いつ頃のことだ?」

「はっきりしないけど、1ヶ月ぐらい前かな。」

「おれは、女性関係は、派手ではなかったぞ。それは、中條だろ。」

「いやあ、そうか。でも、俺も結婚して落ち着いたぞ。」


美保は、中條の妹の静に、会ったのか。

確か、美保と静は、同じ大学だったか。

中條の言っていたことが事実なら、一美のことと合わせて、美保は、ダブルパンチだ。

大学時代の女性関係も、一美のことも誤解でしかない。

しかし、美保が誤解するには、十分だっただろう。

改めて、俺たちの信頼関係は、どうだっただろうと、振り返った。

俺は、忙しさにかまけて、美保とゆっくり話す時間を作らなかった気がしてきた。

結局、俺の不足のいたす所か。
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