夫の真実
「美保、忙しさを言い訳にするわけではないが、今までは余り会話をしてこなかった気がする。」
休みの日、要さんが、話し出した。
「そうね。話さなくても、わかっている気になっていたね。」
「美保、これからは、何でも話していこう。どんなつまらないことも。」
そう言うと、要さんは私の腕を引いて、私の体をスッポリと包み込んだ。
「美保、さっそく話すよ。まず、一美のことは全くの誤解だと理解してくれた?」
「うん、理解した。要さんを信じようとしたのよ。でもあなたに会えなくて、聞けなくて、辛かったの。」
「本当にごめん。それから、大学の話だけど、中條の妹から聞いた話、あれ嘘だからね。もてたことはもてたよ。でも女性と関係してないから。遊びみたいな関係は、なかったから。それは、中條本人のことだから。」
「うん、わかった。前にも言ったけど、私と出会う前のことは、気にしてないから大丈夫だよ。」
「よかった。そして、もう一つ、話がある。
実は、美保は、妊娠していた。」
「やっぱり。」
美保は、静かにそう言うと、
「私ね、意識がない時、夢を見てた。男の子が手をつないで、私をトンネルの出口まで連れていってくれたの。そして、別れる時にまた会えるよって言ってた。」