私の彼氏は超肉食系
「知り合いだからこそです。俺は彼女の後見人であり、彼女の資質を良く知っている人間として、異を唱えたいと思っています。なんだ『中田』も不満なのか?」

皆の顔を伺う。

いつも遠まわしにだけど抗議をしているのに。

いい加減わかって欲しいんだけどな。

「いえ、随分と彼女のことを分かっているのだ。と思いまして、確かに彼女は女優という仕事よりも医者になりたいと常々言っているので僕たちもそれを邪魔するつもりは無いのですが、先輩は彼女が女優だと初めて気付いたのでしょう。流石は先輩です。」

『中田』さんは分かってくれていたらしい。

「おいおい。止めてくれよ。『中田』まで『北村』みたいになっては困るんだが・・・。」

「すみません。つい言ってしまいました。でも、常々そう思っているんですよ。『北村』みたいに無条件にそう思っているわけでは無いだけです。」

そういえばMotyのメンバーの『北村』さんは、前の結婚式でも『流石は先輩』を連発していたわね。

どうやら口癖だったようね。

「今度は褒め殺しか。幾ら俺たちの披露宴だからって・・・。」

そこで笑い声が挙がる。

「井筒さん。彼女のことをよろしく頼みます。彼女は一見強く見えますが、貴方のようにすぐ近くに居る人間が必要なんです。何かあったらすぐに駆けつけますので一報頂けると嬉しいです。」

やっぱり、社長は社長ね。

いつも優しくて素敵なお兄様。
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