私の彼氏は超肉食系
でもこの母親がここまで下手に出てくるなんてどういうわけ。

「では話も済んだことだし、警察を呼んでもらいますか・・・。」

意外なところから、声がかかる。遠藤先生だ。

「えっ。」

病院の評判に響き、そして遠藤先生の評判に響くことを仰るなんてどういうことだろう。

「ダメよ。ダメ! お願いそれだけは勘弁して! 何でもしますから、お願い!」

私が驚くと同時に『一条ゆり』がぺこぺこと再び土下座を繰り返す。

なるほど。

裕也が殺人未遂で逮捕されれば、彼が女性に関係を強要したとき以上のバッシングが彼女に降りかかるだろう。

いくら子供の犯罪と言っても殺人未遂では、あまりにも酌量の余地が無さ過ぎる。

そうなれば彼女は芸能界から抹殺されることになるに違いない。

今回ばかりは、いくら伸吾さんでも無罪を勝ち取れないだろう。

いや伸吾さんだからこそ勝ち取れないと言ってもいいかもしれない。

殺人未遂の相手が私以外の人間ならば、相手の弱みを握り破滅に導くことで不起訴くらいは勝ち取れるだろう。

だがあの男の体面を守るために、伸吾さんは裕也を切り捨てるに違いない。
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