魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜



どうしていいか分からず、黙り込んでいると更に一言。



「馬鹿だろ」


本日二度目の馬鹿だろ発言を頂きました。


流石に言い返さずにはいられず。


「ば、馬鹿ではないです」


「や、馬鹿だろ」


さ、三度目の馬鹿……ですか…。


もはや二の句を継げなくなった私は項垂れることしかできず。


シロウさんはそれは深いため息をついた。


「お前ら、何でそんな不器用なんだよ。見ててイラつく。
つか目障りだから自分らで何とかしろって言いたいとこだが、できねえから現状なんだよな。あー、面倒くせ」



なんてひどい言われようでしょう。


ここまでボロクソに、ひいては雑言の数々を黙って聞いていなければいけないなんて。


いや、黙っている必要などどこにもないのだけども、何となく言葉を発しにくいのだ。



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