神様っ!!
 長めの髪の毛はパーマをかけているのか、ふんわりしていてどこか柴犬みたいに人懐っこい。

「こういう席って初めてで。緊張してます」

「あんまりガツガツしてないから安心する。いっつもハイエナみたいな娘ばっかりだから」

 にかっと笑って取り皿に料理を取ってくれる。

「ここの結構、美味いよ」

 生ハムの乗ったシーザーサラダに、赤のトマトとモッツァレラチーズの緑がきれいなカプレーゼ、カルパッチョは真鯛のようできれいな白身にオリーブオイルが食欲をそそられる。

 隣の祐希も目の前の優良物件の品定めに忙しいらしく会話が弾んでいる。あまり気の利いたことも言えないし、とりあえず口を動かすことにする。

 ひとくち食べて「美味しい!」と声をもらす。生ハムのしょっぱさを和らげるレタスやピリッとしたベビーリーフのアクセントもいいし、口一杯にひろがるオリーブオイルも爽やかだった。

 差し出されるまま、カプレーゼもカルパッチョもアヒージョもピザまで堪能する。
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