神様っ!!
 夢中で食べて、ほっとひといきつくと、目の前の男性が優しいまなざしで笑っていた。

「こんなに相手にされないのって初めてで、むしろ新鮮だね」

「あんまり美味しくて、つい…」

「なんだかペットを餌付けしている気分になったよ。ああ、悪い意味じゃなくてね。良かったら、もう少しお互いのことを知りたいな」

 とたんに祐希のほうでない側から驚きの声があがる。見ればかわいらしい見た目に似合わず、目と口を大きく開けてあたしと柴犬君を交互に見ている。ごめん、あたしも驚いてる。

 まさかの展開に一番驚いているのは、あたしなんですけど。
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