神様っ!!
 柊が何事もなく平穏無事に働いていることに安心する。接客業だからトラブルもあることがあるだろうけれど、そんな気配は微塵も感じられない。

 不審者のようにそこで柊を見ていたら、不審に思ったスタッフから声をかけられ、柊が振り向いた。

「幸? なにこれストーカー始めたのか」

 お客様になにやら声をかけて、ばたばたと柊が店の外に出てくる。

「久しぶり」

「なに? 酔ってんの幸のくせに」

 ふにゃふにゃとガラスにもたれていたので柊に呆れられてる。

「やってみなきゃわからないことがあるじゃない。それから酔ってでもいなけりや言えないことだってあるわけ」

 柊もガラスに寄りかかり向かい合っている。

「それで何がわかったっていうの? 」

 うーんと伸びをする、酔うと眠くなるので意識が切れ切れになりそう。

「合コンやってみた。けっこう、モテたよ」

 ふんっと鼻先で笑われる。
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