君の星、僕の星
手に持っていたワイン入りのグラスを落としそうになる。
動揺した胸の内を悟られないように、ゆっくりとテーブルに戻した。


「……どうして?」


夫を見つめ返したまま次の言葉を待つ。



「二人で生きていかないか。そういう人生も良いと思うんだ」

「もう40歳なのになかなか出来ないから諦めるって事?私に気を遣ってるの?」

「違う。そうじゃないよ」



英俊はテーブルの上で手を組んだ。


「ずっと思ってた。治療が淳子の負担になってるんじゃないかって」

「……」

「そりゃ子供は欲しいよ。今でもそう思ってる。でも子供がいなくたって俺たちは夫婦だ。淳子を愛してるから結婚したんだ」
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