小さな村の大きな話
「本田さん、入るよ??」


「どうぞー」



ベッドの上で机を出して何かやってて。僕が来たから片付けてるみたいだ。



「ごめん、邪魔しちゃった??」


「ううん、お手紙書いてたの。いつでも大丈夫だし気にしないで」


「いまどき手紙って珍しいよね」


「メールもするけど、ママは手紙のほうが好きみたいだから」


「確か、本田さんの親御さんって海外に…」


「うん、忙しい人たちだからね。
先生のご両親は??どんな人なの??」


「どんな人、なのかな??
一応父は弁護士で母は教師だよ」


「そっか。二人とも忙しそうな職業だね」


「でも僕は……兄がいたから、子供の頃は寂しくなかった…」


「いいなぁ!!私一人っ子だから兄弟って憧れてるんだぁー!!」


「でも、兄は大学上がってすぐに勘当されて…僕はっ!!」



何を言えばいいかわからなかった。
兄の事は思い出せば辛い事だらけで、何も言葉が出なくて…。



「ごめ、ん……なんか、うまく話せないや」


「うーん、先生は公演家や演説者じゃないんだからうまくなんて話さなくていいと思うな」


「面白い話じゃないよ??」


「暇してるもの、私」



僕はゆっくりと口を開いた。


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