癒し恋~優しく包まれて~
彼のマンション前でタクシーを止めて、待つこと七分。荷物を持った俊也さんが戻ってきて、また乗り込むとタクシーは再び走った。

それから20分後には私のマンションに到着。


「ど、どうぞ」

「うん、ありがとう」

「あ、ハンガーどうぞ」

「うん」


動きが緊張でぎこちなくなってしまう。

部屋にあげるのは初めてではないけど、泊まるというオプションが付いているから緊張してしまう。

困ったな、

こんな夜になるとは予想もしていない。

これからどうしたら……お風呂、そうだお風呂!

とりあえずお湯を入れよう。

キッチンの壁にある給湯器のスイッチを押して、お湯張りを開始させる。

ドキドキする気持ちを押さえて、振り返るといつのまにか俊也さんが接近していた。

仰天した私の体は飛び跳ねる。

彼は楽しそうに笑って、私の頬を撫でながら目を細める。二人だけの時にいつも見せてくれる優しい笑顔だけど、静まった私の心臓はまた高速で動き出した。


「ごめん、驚かすつもりはなかったんだけどね」

「い、いえ、大丈夫です」


今日は何回驚かされるのだろう。

心臓に悪いことばかりだ。
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