癒し恋~優しく包まれて~
資料からこちらに視線を流した目と観察していた私の目がバチッと交じり合った。

呑気に観察しているんじゃなかったと後悔しても遅い。

優しい目ではなく冷ややかなに見える目に捉えられて私は背筋を伸ばした。だけど、捉えられた視線は外せなく、ずっと合ったままの状態。

俊也さんの「なに?」という一言も冷たく聞こえて私は体を強張らせる一方だ。ただ見ていただけだけど、それが悪いことだったと思えてしまう。


「いえ、あの、その、真剣に確認されているなと思って……あの、じっと見ていてごめんなさい!」


なんて言ったらいいか分からなく、なんでもいいから謝っちゃえ!となった。

そんな挙動不審になった私に俊也さんは「プッ!」と吹き出して、大きな口を開けて笑った。

な、なんで笑うの?

そんなに変だった?


「あー、もう! なんでさ」

「えっ?」


俊也さんは資料から手を離して、私の頭を雑に撫でる。

今朝、頑張ってセットした髪型が台無しだ……ひどい。


「なんでそんなにかわいすぎるんだよ」


やめてと手を振り払おうとしたけど、それよりも先に腕を引っ張られて抱きしめられてしまい、唖然とする。


なんでこうなったの?
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