癒し恋~優しく包まれて~
「良かった。着替えてきたらショックだなと思っていたから」


俊也さんの部屋に入り、コートを脱いで渡すと私の服を見て嬉しそうに言う。

そうか、着替えるという選択もあったんだ。

そうすることを思い浮かばず、ただ待たせているからと早く荷物を詰めることに専念していた。ワンピースなんだから、素早く着替えてラフな服装にしてよかったかも。

この服では寛げない。

でも、部屋着を持ってきたからそれに着替えようかな。

コートをかけてきてくれた俊也さんはついでに着替えたようで、下は黒のジーンズのままだけど、上はシャツから少し首がよれたオフホワイトのスエットになっていた。

家で寛ぐスタイルだと思うけど、それを躊躇いなく見せてくれるのが嬉しい。

それなら、私も遠慮なく着替えよう。カバンから部屋着を取り出そうとすると後ろから肩を掴まれる。


「柊花、なにしようとしてるの?」

「私も楽な服に着替えようかなと」

「ダメだよ」

「何で?」


私は出した部屋着を胸に抱えて、目を丸くした。どうして着替えてはダメなのか分からない。

まったりするにはゆったりした服装がいいのに。ワンピースだから締め付けが少なく比較的ゆったりはしているけど、もっと汚れてもいいものに着替えたい。
< 168 / 213 >

この作品をシェア

pagetop