癒し恋~優しく包まれて~
そういえば、「困ったことはないか」と一人暮らしをしてからは何度か聞かれていた。その度に「平気」と今思えばかわいくない返事をしていた。

大人になったつもりでいても親を気遣うことも出来ていないなんて、全然大人になれていない。それに比べて俊也さんは本当に大人だ。

父の質問に嫌な顔をしないで、一つ一つ丁寧に受け答えしていた。


「これからも仕事をしていく上で大変なことがあるだろうけど、何かあったらいつでも……あ、入江さんがいるから大丈夫だよな」

「ううん、何かあったらお父さんにも相談させてね」


父を頼らないで、なんでも一人で決めて解決してきたけど、頼ることも大事だ。父はいくつになっても甘えてほしかったのかもしれない。

父が遠慮して俊也さんにその役を譲ろうとしたのは、私の今までの態度からだろう。

今から頼っても遅くはないかな。


「そうか、お父さんはいつでも柊花の味方だからな。もし、入江さんとケンカしたとかいうのでも、なんでもいいからいつでも言ってな」

「うん。ケンカはしないようにするけどね」
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