癒し恋~優しく包まれて~
「さっき柊花から承諾を得てないと聞いたけど、何か彼に不満でもあるのか? 承諾出来ないなんて……」


父の質問にどう答えていいか戸惑った。結婚の話が出るなんて思いもしていない。

まだプロポーズもされていないし、まだ結婚まで考えてもいないし、そういう話もしたことがない。ずっとそばにいたいとは思うけど。


「すみません」


答えに困っていると俊也さんが父に向かって頭を下げた。父は何事かとさっきまでの笑顔を固める。

私ももしかして結婚までは考えていないと言われるのではないかと顔を強張らせた。

俊也さんは決心した表情で顔を上げて、私の方を向く。

何だろう?


「実はまだプロポーズしていなくて……でも、柊花」

「はい!」


なんだか不穏な空気を感じる。よくないことを言われそう。

俊也さんはソファの横に置いていたコートのポケットから何かを取り出した。

何?

何それ?

彼は手のひらにおさまるサイズの箱を私に差し出した。そのサイズから想像できるのは指輪だけど…まさか?


「結婚してください」

「えっ……」


まさかここでプロポーズ?

プロポーズは、親の前でするものなの?
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