癒し恋~優しく包まれて~
「失礼しました!」

「いや、いいんだよ。仲がいいのはいいことだしね」

「何がいいことだよ。親の前で堂々と抱き合うのはおかしいだろ? 本当にこんな男に姉ちゃんを渡すの?」

「えっ、ゆう?」


俊也さんに好意的だったはずの弟が突然敵意を剥き出しにした。弟の言葉が信じがたく、動揺してしまう。

拍手で出迎えるほど歓迎してくれていたのに、その変わり様は何?


「そいつから離れろよ」


俊也さんから引き離すように腕を引っ張られる。


「ゆう? いきなりどうしたの?」

「プッ! あはは!」

「お、お父さん、何?」

「何だよ、父さん」


父が突然大笑いする。弟は不機嫌な顔で今度は父を睨む。何で、この子はこんなにも機嫌が悪いの?

それよりも父はこの状態でなぜ大笑い?


「入江さん、すみませんね」

「いえ、大丈夫です」


笑う父に俊也さんも笑って答える。何がなんだか分からない。

怒る弟に笑う二人。


「ゆう。お前が柊花を大事にしてるのはよく分かる。父さんにとっても柊花は大事だからな。でも、入江さんはもっと大事にしてくれるよ。彼を信じて、柊花のことを任せてみようじゃないか?」
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