癒し恋~優しく包まれて~
そんな挙動不審にも見える私を見て、入江さんがおかしそうに笑う。

笑えるくらい変な動きだったでしょうか?


「焦る三上さんは本当にかわいいね」

「ええっ! かわいい……?」


またつい大きな声が出てしまい、口を押さえる。「かわいい」と入江さんは前にも言ってくれたけど、言われ慣れない言葉は恥ずかしくて、どう対処したらいいか分からなくなる。


「そんなふうに頬を赤くするのも新鮮だよね。本当にかわいいね」


そう何回も「がわいい」を連呼されて、ますますどう答えていいか分からない。困ったな。でも、入江さんはお世辞で言っているのではないのが分かる。

分かるからこそ余計にどう対処していいか迷う。


「あの」

「ん?」

「何の用でしょうか?」


テーブルを挟んで向かい合って座ったものの、何も指示が出てこない。なにか手伝って欲しいことがあって呼ばれたはず。

話題を変えるにはここに来た理由からだ。


「ああ! そうだったね。三上さんは本当に真面目だよね」


入江さんはポンッと手を叩いた。まさか忘れていたんじゃ……。
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