癒し恋~優しく包まれて~
「柊花ちゃんから恋愛話をされるのは初めてね。そうね、その相手は友達ではないのよね? 友達よりももっと近い位置にいるのかな?」


友達よりも近い位置……確かに友達ではない。先輩だけど、簡単にただ先輩だと言える人ではない。キスをしたのだから、近い位置にいる人とは言える。


「そうですね、近いとは思います」

「その人と付き合いたくないと思ってるなら入れない方がいいとは思うけど、その辺りはどう思っているの?」

「あー、いい人だとは思ってます」


私の答えになっていない返事に萌絵さんが笑う。


「それっていい人止まりで終わりそうな人? それとも彼氏に昇進出来る可能性がある人? 少しでも恋愛感情があるなら覚悟を決めて、招き入れるのもありかなとは思うけど。」

「そうですね……」

「それと、相手はある程度の期待はしてくるとは思うな」


萌絵さんに言われたことを考えながら、食事を再開させた。

いい人だけど、それだけではない。入江さんといる時間は心地よくて、ずっとこのままでいたいとも思う。それは恋愛感情があるからなのだろうか。
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