【完】もっとちょうだい。
浮き輪に乗ってぷかぷかと漂う芙祐。
その浮き輪を引っ張って沖の方へと泳ぐ。


「きもちいねぇヤヨちゃん」


「うん」


ぱしゃ、ぱしゃと波を受けて
芙祐の足がつかなくなるくらいのところ。


ブイの手前位。
人の群れから避けたところ。


誰も周りにいない。
賑やかな浅瀬から離れたここは
なんとなく、二人の世界っぽくて。


俺は浮き輪を手繰り寄せる。



すぐそばに芙祐の顔。


じっと、俺を見る芙祐。


そのまま、あくまでもさりげなく
顔を近づけて。


ちゅ、と一瞬のキス。


「……っ、ふふ」


芙祐は堪えられなくて笑う。


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