【完】もっとちょうだい。
芙祐のすぐ傍で、ごろんと横になる。

とりあえず、手でも繋ごうかって。


「ヤヨだぁ」


芙祐は、嬉しそうにこっちを見て笑っている。


「ねぇ、ヤヨ、大好き」


べったりくっついて、甘い声。


「俺も……すき」



ってなんで俺だけこんなシラフなんだよ!
心臓が馬鹿みたいに跳ねているのが心底本気で馬鹿らしい。


「あー、幸せぇー」

ぎゅっと俺を抱きしめる。
本当に、悪魔。


顔を近づけて、頬にキスをした。


「……んっ。くすぐったい」


よがる体に覆いかぶさった。


「眠い……」


嘘だろ、この悪魔!


「起きて」


割と真剣に頼むから。


「キスしよう?」


どっちだよ。支離滅裂かよ。


「いいよ」

小さな唇。
俺は存分に味わってしまえと、舌を突っ込む。


「ん……っ、ヤヨ」


なんか言ってる。黙って。

芙祐の舌も俺のを受け入れた。


芙祐が「溺れる」っていうからやっと唇を離した。


「どんだけ、赤いんだよ」


胸がすくような赤面っぷりだ。


「……だって、これ気持ちいい」


芙祐は恥ずかしそうにそう言った。


だから俺は、いつもの悪魔がささやく冗談を完コピした。


「……もっと、気持ちよくさせてあげようか?」


本気で言ってるけどな。



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