[BL] ずっと君の側に
秀太さんは、上を向き、また、俺に視線を会わせて話してきた。
「そして、半年がたった頃。
俺にもね、新たな出会いがあった。
所属事務所で女神に会ったんだ。
話してみると、すごく気があって、あっという間に時間は過ぎて、どんどん俺は、ひかれていった。
それが、今の奥さん」
楽しそうに、嬉しそうに話す姿をみていると、とても愛してるって言うのが伝わってくる。
「そのあと、付き合うようになって、高校も卒業して、お互いに成人して、年を取ると本当に時間が過ぎるのが早くなるのって、本当なんだって、自覚した。
その時――。
加奈子のお腹の中に新しい命が宿っていることが分かって、結婚した。
太陽と円ちゃんにその事、報告したら、泣いて喜んでくれたよ。
つられて、こっちまで泣かされた。
身内と本当に親しい友人を招いて、小さな結婚式をして――、
それから、四ヶ月後には、元気な女の子が産まれた
あんな、嬉しさを味わえる日が来るなんて、思ってなかったよ
綾音が産まれて、それから、詩が産まれて
そして、太陽たちも結婚した。
翌年には、君が、政晴君が円ちゃんのお腹の中に宿って居ることが分かって――、
太陽たちも親になるんだって思ったら、泣けてきてさ、心から嬉しくて――。
そして、政晴君が産まれて、直ぐくらいに、加奈子が、千歳を身ごもった。
成長したら、同じ学年になれるねって、話したりしてさ。
それで、千歳が産まれて、
幸せが心の底から溢れ出てた
けど……」
秀太さんは、遠い目をしていた。
「けど、もうすぐ、政晴君が一歳になる日が近づいて来たとき。
『太陽が仕事場で倒れた』
って、円ちゃんから連絡があった。
今すぐにでも、駆けつけたかった、でも、仕事で地方にいて、帰るのに時間がかかっちゃって、病院についたときには、もう……」
握りこぶしを左手で包み込むようにして、目をつぶり、今にも、泣きそうな顔になった。
「あんないい奴が死んだなんて信じられなくて、会ったら、きっと、なにごとも無かったように、笑ってるんだと思ってた。
でも――、太陽に会って顔見たら、笑顔も消えて、ただただ青白い顔で、いつも、体温高くて、暖かい、手が氷のように冷たくてさ、
本当に、亡くなったんだって――。
そのあと、死因は、
『急性心筋梗塞』
って、聞いて妙に納得した自分がいたよ」
「納得したのは、何故ですか?」
「太陽の母親は病気がちで、太陽を産むことさえも、命が危ないだろうって、言われるほどだった。
父親もそんなに、体が強いわけではない人だった。
でも、太陽が無事に産まれてから、周りの人に助けてもらいながら、一生懸命、育てて、仕事もしていた。
けれど、アイツが13歳の時に、体調を崩した母親があっけなく、亡くなってしまった。
それに、その二年後。
父親が、急性心筋梗塞で突然なくなった。
それでも、アイツは、無理に笑っていた。
『この命は大切にしたいし、まわりにいる人たちをずっと悲しいまま居て欲しくないから、笑顔でいないとな』
って、泣きながら、言ってたよ」