この恋が罪だとしても



「あのな、雨音……。俺、お前に好きって言われて初めて気づいたことがある」



……気づいたこと……って何だろう。

泉くんは私が眠っていると思ってるからか、普段より口数が多い気がした。



「本当に好きになるって、ただ笑顔が見れるだけで、話せただけで幸せとか、そんな程度じゃねーんだな」


それは、泉くんの北園さんへ抱いていた気持ちだろうか。

泉くんは、それだけで幸せだと感じていたのかもしれない。

北園さんへと向けられたその言葉に、胸がチクリと痛んだ。



「誰かに取られたくない、お前を傷つける全てから、他の誰でもなく……俺が、守りたいって……」


……え?

泉くん、お前ってまさか……。

そのまさかが、私を指しているんじゃないか……なんて、自意識過剰かな?

なのに、泉くんの言葉は、私に向けられている気がする。



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