この恋が罪だとしても



「俺……お前が好きだ、雨音……っ」

「っ……」


そう言って、私の頬に当てられる泉くんの手が熱い。

触れた場所から、気持ちが、想いが流れ込んでくるみたい……。

それに、少しだけ体が震えた。


「お前は、俺が優しくすると怯える。なら……傍にいるには、どうしたらいいんだ?」


本当に好きな人が出来たって……私のことだったんだ。

そんな……どうして、私のことなんて……。

信じられない気持ちで、泉くんの体温を受け入れる。



「傷つけておいて、勝手だとは思う。でも、罪悪感とか無しで……心からお前が好きだ」


……私も好き。

そう喉まで出かかった想いを、必死にくい止める。

あぁ、そっか……やっぱり私には、泉くんしかいないんだ。


< 237 / 262 >

この作品をシェア

pagetop